ハウスメーカー徹底比較(一条工務店)

一条工務店

一条工務店の特徴は、「免震」をはじめ、「高気密高断熱」や「加圧注入による防蟻処理」などを他社に先駆けて開発し、一条工務店の商品を海外の関係工場で製造することで大手ハウスメーカーの平均坪単価よりも安い価格を実現しているところです。

一条工務店ではハウスメーカーとしては珍しく、『一条工務店専用の商品開発や製造を行う関係工場』を持っており、キッチンやお風呂などの住宅設備ま
で生産しているようです。

種類はかなり多く、だいたいのものはこちらで手配出来ます。
 
 
一条工務店の特徴
断熱性と気密性がポイント
 
 
断熱性能・気密性を「Q値」、「C値」と言う指標で比較すると、もっとも数値が良いのは、輸入ハウスメーカーやツーバイフォーメーカーではなく、木造軸組工法(在来工法)の一条工務店でした。
 
住宅の断熱性能比較(C値、Q値:ハウスメーカー18社)
 
2011年現在の断熱・気密性のランキングでも、トップとなっており、一条工務店の窓と壁・床・天井の断熱スペックは、部位別に見てもかなりのハイスペックです。

2×6の「i-cube」も発売しており、高気密・高断熱住宅の本場、北海道にも進出しています。

(一条工務店の「i-cube」はQ値: 0.76 )
 
これは、一条工務店の断熱性・気密性の高さを証明するものです。
 
 部位  スペック
 窓  樹脂サッシ+二重LOW-Eガラス
(ガラス3mm+空気層12mm、アルゴンガス充填)
 壁の断熱材  ビーズ法ポリスチレンフォーム特号 120mm
 床の断熱材  ビーズ法ポリスチレンフォーム特号 90mm
 天井の断熱材  ビーズ法ポリスチレンフォーム特号 145mm
換気システム  全熱交換型換気システム 温度交換効率90%
<一条工務店の「夢の家」を参照>
 
一条工務店は2007年には、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック」で大賞を受賞しており、高気密高断熱をうたうスウェーデンハウスとともに、最高水準の省エネ住宅と認められました。

また、高気密高断熱住宅特有の省エネ性能の上に、エコロジーの活動も評価され、2011年にはエコ・ファースト企業として、環境大臣から認定されました。

一条工務店は標準で「温度交換効率90%の熱交換型換気システム(ロスガード90)」の導入、全棟気密測定の実施を行うなど、「気密性(C値)はうたうけれど、気密測定は実施しないメーカー」
「高気密・高断熱住宅をうたっているけれど、換気のロスを考慮していないメーカー」と比べても、高気密・高断熱住宅に対する一条工務店の考え方はしっかりしています。
 
一条工務店の換気システム(ロスガード90)ですが、業界ではNo.1の熱交換効率を謳っています。

温度と湿度を交換する全熱交換を採用していますので、エネルギーのロスが非常に小さくなります。

外から取り込む空気の清浄度は、セキスイハイムの方に軍配があがりますが、ロスガード90も花粉のサイズの粒子であれば、ほぼ完全に除去できるほどです。

また、交換フィルターも一条工務店の系列工場で製造、販売するなど将来にわたった住宅の安全と、メンテナンスにかかる費用を抑えることは好評価です。
 
高気密・高断熱住宅を建てる大手ハウスメーカーの中では、スウェーデンハウスと、一条工務店がトップクラスです。
 


耐震性とその歴史
一条工務店は静岡県浜松市で創業した会社です。

東海地方は、過去の東海地震の被害が非常に大きかったことや、次の地震がいつ来てもおかしくないと言われていることもあって、地震に対しての意識が非常に高い地方です。

そのため、一条工務店は創業当時から、
地震が来ても家族が安心して生活できる耐震性能の高い家を建てることを目指しており、その取り組みが高い評判となっています。
 
「地震がきても本当に安全な家づくり」
を目指し、業界に先駆けて一条ハイブリッド免震住宅を当時の一般大臣認定を
取得しました。
 
この一条工務店の地震に対する取り組みが、今の一条工務店の評判の礎(いしずえ)になっているのでしょう。
 


免震住宅『一条ハイブリッド』
 ハウスメーカーの中で、普及型のに免震住宅を最初に開発したのは、この一条工務店です。

今でこそ、いろいろなハウスメーカーが免震住宅を発表するようになりましたが、価格の高さから普及には至っていないのが現状で、一条工務店の実績は群を抜いています。

日本の戸建て免震住宅の約8割が、一条工務店と聞くと、他のハウスメーカーとの差が大きいことが分かります。
(2009年9月現在。一条工務店の免震住宅受注実績は、全国で年間3,200棟に到達)



加圧注入によるシロアリ対策
 木造住宅でコワいのがシロアリですが、一条工務店ではシロアリ対策に「ACQ」と呼ばれる塩化ベンザルコニウムと銅を主成分とした薬剤を使っています。

その薬剤を、タンクローリー車の後ろのような形状をした専用の機械に木材を入れ、タンクの中を加圧減圧を繰り返し、木材表面に薬剤を固着させる方法で
長期間シロアリの被害を受けにくくする方法を採用しています。

以前はヒ素を含んだCCAという薬剤を使用していた経緯もありますが、ヒ素の毒性の強さに対する懸念や焼却処理しても土中に残留する成分が多く現在はこのACQに切り替えられています。

このACQに含まれる塩化ベンザルコニウムですが、おしぼりや赤ちゃんのおしりふきなどでも使われる薬剤で人体への影響は小さいとされています。

 

一般的に大手ハウスメーカーは、モデルハウスの見栄えを重視して、高額な設備やオプションになるような家具、照明などを導入しているのことが多いですが、
一条工務店の展示場は実物に近い作りにしているので、ここもポイントです。
  
 
海外で開発・製造
 大手ハウスメーカーでも自社の製品を海外の関係工場で開発・製造しているようなハウスメーカーは聞いたことがありませんが、一条工務店はこれにより製造コストを抑えています。

デフレが進み、海外に工場を置く企業が増えてきましたが、ここでも、先進的な取り組みをしているのです。
 
 
 
一条工務店の評判
一条工務店は、CMなどをしていないので、インターネットで知りたい内容を検索される方も多いのではないでしようか。
 
知名度やブランディングのために、CMを行うハウスメーカーも多いのですが、
一条工務店では、経費の数%にも及ぶであろう宣伝広告費をかけないことは、好評判です。



デザイン
他社では豊富なデザインサイディングの中から外壁を選べるのに対し、一条工務店では未だに、一昔前のリシン吹付けの外壁仕上げを選ぶのは少し遅れている気がします。
(最近では、i-smartでTOTOのタイルの外壁「キラテック」を採用していますし、デザインサイディングも種類が豊富になってきたので、評判は少し改善されたようです)
また、若い方の中には、一条工務店の重厚すぎる内装に対して拒絶する方も多いようです。
性能を重視される方も多いと思いますが、家への愛着ということを考えると、
やはりデザイン、見た目というのも大切ですね。
 
「セゾン」からはじまり、「ブリアール」が発売され、
現在は、「i-cube(アイキューブ)」や「i-smart(アイスマート)といった商品がラインナップに加わっています。徐々に出窓にタイル+リシン吹付けといった一条工務店独特のデザインが変わってきており、i-smartのハイドロテックタイルなどを採用し、スタイリッシュな雰囲気を出していますが、選べる外壁の種類は多くないようです。
  


太陽光発電システム
 一条工務店では、太陽光発電システムを積極的に売りだしています。

キャンペーンの内容を見ると、
「太陽光発電システムの設置にかかる初期費用は0」
といった、かなりセンセーショナルな内容で、非常に興味をそそられます。
 
太陽光発電システムを設置するためには200万円ほどの費用がかかりますが、
その費用を一条工務店が肩代わりし、光熱費が抑えられた分で、一条工務店に毎月返済するようです。
(返済額は事前に決められ、契約を交わす形のようです。)

非常に考えられた珍しいシステムと言えるでしょう。

太陽光発電システムも関連会社で製造しているようですので、一条工務店に掛かる経費が抑えられ、無借金経営を続けている一条工務店だからできるキャンペーンなのかもしれません。

ちなみに、一条工務店の太陽光発電システムは、「HRD」という会社でJ-PECにも登録され、国の補助金を受けることが可能です。
 


営業の評判
 一条工務店の評判でも、営業担当がころころ変わるらしいです。

一条工務店で家を建てる方にとっては、担当営業が変わることは不安要素になります。

依頼したことをしっかりと伝達出来ていなかったり、一からの人間関係を作っていかないといけないであるとか。。。

一条工務店の、営業さんは、一条工務店の商品や予備知識に関してはよく知っています。

展示場に行ったらそのあたりも忘れずに聞いてみましょう。



水廻りが選べない…
 女性の城ともいえるキッチンですが、気にいった商品から選びたいと感じる方も多いのではないでしょうか。

しかし一条工務店では、キッチンはオリジナル商品として関係工場で作っているので、ラインナップはかなり少ないです。

なので、いろいろと選びたい方には少しものたりないかもしれませんね。


 
一条工務店の商品ラインナップ
一条工務店の商品は、外観や構造、規格住宅か自由設計、3階建てで商品の種類が分けられ、高気密高断熱の仕様(夢の家)や免震などをオプションで選択する方式です。
 
洋風セゾン(SAISON)
 
一条工務店でもっともベーシックな商品です。
外壁のタイルや出窓、内装材など標準で付くものによって3つのグレード(Aタイプ、Fタイプ、Vタイプ)があります。
坪単価は50万円~と言われていますが、
諸経費などを加え、床面積で計算し直すと 60~75万円といった価格となります。
 

ブリアール(brillart)
 
南欧風の外観や内装の仕様です。
一条工務店の建物で特徴的な「出窓」はつかず、若い層に向けた商品のようです。
坪単価は、60~70万円となるようです。
 

ファミーユ(Famille)
 
一条工務店の3階建てです。
坪単価は、70~80万円となるようです。
 
円熟の家 「百年」
 
一条工務店の和風の家。
坪単価は、70~80万円となるようです。
 

アシュレ(ASSURE)
 
一条工務店の規格住宅。
規格とすることで坪単価が抑えられています。
坪単価は、50~60万円となります。
 

i-cube(アイ・キューブ)
 
一条工務店の壁式枠組み工法の家。
業界トップクラスの高気密高断熱仕様や床暖房が標準で付きます。
坪単価も50万円台~と非常に抑えた価格設定になっており、
受注を伸ばしている商品のようです。
 

i-smart(アイ・スマート)
 
i-cubeと同じ壁式枠組工法の家。
業界トップレベルの高気密高断熱仕様(Q値:0.82)や、床暖房、太陽光発電システム、ハニカムシェードなどが標準。
パナホームと同じハイドロテックの外装タイル(TOTO製)や、パノラマウィンドウ、フラットな屋根ですっきりとした外観になっています。一条工務店の特長であるデザインの古さは、この商品では感じません。
 
坪単価は、建物本体価格で56万円となっていますが、オプションやその他にかかる費用がありますので、単価で60万円~70万円くらいはかかると思っておいたほうが良いでしょう。
 
 
 
一条工務店の坪単価
一条工務店では施工面積に坪単価をかけて算出されます。

また、高気密高断熱(夢の家)仕様や床暖房などはオプション(一部商品を除く)となっており、坪単価に数万円加算される計算方法です。